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 本墓に入れない死者は仮墓に葬る
沖縄では、墓に対して厳しい掟があります。
例えば、門中墓ともなると、死者が出ても勝手に墓を開けたり閉めたりはゆるされません。特に非業の死の場合、門中一族から何かと反対の意見が出されます。交通事故死、海難事故死、自殺、他殺、無理心中等々などがそれに相当するわけです。分かりやすくいえば死者をも選別するわけです。
一見、理不尽ともおもえるのですが、代々続いてきた門中墓では、その掟を破ることは許されないようです。
先述した非業の死を遂げた死者は、他所の寺に納骨して、門中一族から墓入りのお許しで出るのを待つことになります。そうでなければ、門中墓の一画に側宿(仮墓)として納骨します。その場合も同じように、門中一族から本墓入りのお許しの出る日を待つことになります。なお、仮墓は本墓の左側につくる習わしがあり、御先祖様のお側近くで三年から七年間もの間、死者の詫びをすることになります。御先祖様へのお詫びをかねての仮住いということなのでしょう。遺族は、不幸な死者のため、成仏供養の施しを続けます。

このような嘆き悲しみが再びないことを願って「苦揺解き」もします。そして、一方では、門中の長老たちと話し合って本墓に入るための努力も重ねます。一族でありながら、本墓に入れず、側宿(仮墓)で供養することは死者が哀れでなりません。門中長老たちの言をかりれば「お墓を立派にして守ることは、これからの子孫のためである。自分たちの御先祖様を成仏させ、一族の守護神、御先祖様の御座元に不幸な死者を同室させては、御畏れ多いことであり、これが原因で一族の誰かに霊障が起きたり、また同じ不幸を繰り返して『チヂウリ、マニカ
タ』『ニンヌミグイ』などの『御願事』の起きる畏れがあるからだ」と信じられているのです。
御先祖様には子孫が立派に繁栄していることをご報告することが、現世の子孫の出世成功にもつながるのです。
それ故に、現世の子孫たちの嘆きや悲しい出来事をご報告することを忌嫌うようです。いずれにしても門中の長老もしくは霊能者と相談することが賢明です。
 夫に妻二人あって、分骨する場合
夫が再婚して妻二人あり、先妻は本土の女性、後妻が沖縄の女性の場合、夫の死後、先妻の子が、分骨して本土の先妻の墓に納骨されました。あとのお骨は、後妻の墓に納棺する予定ですが、沖縄の因習では、絶対に分骨は許されません。それは、死者の霊魂が分散して成仏ができないといわれています。
僧侶相談の上、納得のいくようにすることも大切です。
後妻が、夫の分骨をしても、いずれ夫の墓に遺骨を安置する場合は、わずらわしい問題はおきませんが、夫の分骨をしたままで別墓に納められた場合は、沖縄の習俗でいうトートーメー問題がおきる場合もあります。
 門中墓からの移骨
門中墓からの、分墓に納骨する場合も、身分によって順位があります。一般的に施主者(創建者)は正面の上段に置かれるようです。その位置が、永代に家長としての位置を象徴する墓座なのです。
門中墓の創建者の移骨をする場合は、新墓の創建者の座の下段に安置される習わしもあるようです。もっとも、古い門中墓での創建者としての位置が守られている場合の移骨は、簡単に移骨してはならないというこ
ともあるようです。
※ 経験者もしくは僧侶とよく相談のうえ執り行ってください。
 お骨移動の祈願
新しいお墓を建造したり、いろいろな事情からお骨を移動する場合は、その四、五日前に「御火の神様」から遥拝して、これまで祖霊がお世話になった左・御役場、右・御役場、土地七役場、土地神・庚申様、阿弥陀如来様に感謝のお拝みをします。
※ 霊能者もしくは経験者とよく相談することが賢明です。
 改葬するとき
小さい墓をもっと大きく立派にして先祖を十分にうやまいたい。また、死んでから子供たちに、経済的負担をかけたくないという気持ちから、墓を改葬したりします。その時はかならず、霊能者・墓専門の経験者と相談することが賢明です。
また、そのときに重視したいのは、何より大切に心をこめて扱うこと。
そして先祖に対する鎮魂の意味をこめて供養の儀礼を執り行うことです。
 沖縄方言祈言 (お骨移動の祈願)『サリーウートートゥー』
 骨壷に名前を記入する
沖縄では、家族に原因不明の病気に罹る者が出たり、不幸が続けて起きたりすると、霊能者の所に判事をとりに行くことがあります。それは、成仏できない祖先がいるため、子孫に霊障があらわれると考えるからです。決して見過ごすことのできない重要な問題をはらんでいるといえます。しかるべき霊能者をお頼みして、成仏していない祖先の骨壷を探さなくてはなりません。現世の家族の幸福な暮らしが望めないと不安がる人もおられます。あの世の御祖先様の身元をはっきりと骨壷の蓋に記入します。または、名札を板でつくり、壷の中に納めるといいでしょう。
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